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紙製ユニコーンは進化の袋小路から脱却出来るのか?

ちょっと、ある考えから
前に作った「ユニコーンの折り紙」を改良しようとしてみました。


で、出来た結果がこれです↓
ユニコーン改

前回のユニコーンと今回のユニコーンの違いについて考えることで、
自分でも色々と見えてきたので、その話をします。


ORIPA用の展開図はこんな感じです。
ユニコーン改展開図
比率の問題があって、かなり折りにくいですが、その解決方法は一番最後の所に書いておきます。

ORIPA用のopxファイルは自サイトに置いてあります。

↓紙の使用状況はこのようになっています。  尻尾ツノの部分を水色にしています。

ユニコーン改

↓前に作ったユニコーンは、こうです。
ユニコーン旧


注目して欲しいのは、「足の部分」の円の配置状況です。

旧版のユニコーンでは「真横」に配置されていた円が、
「斜め」に配置されるようになっています。


これは良くある手法だと思うのですが。
要は、斜めらせることで、より効率よく紙を使おうということです。
(これについて、後で延々と詳しく語ります)


では実際に効率は良くなったのか、計算していきましょう。


「旧版のユニコーン」の足の長さを計算してみます。


折り紙の1辺の長さを、便宜上、「2」とします。
すると、足の長さは 2-√2となります。
(これは上の図を見れば、分かる人は補助線も引かずに分かるはず)


では「新板のユニコーン」はどうでしょうか。

こっちの計算はクッソめんどくさいですが、
これも実は、2-√2なのです。


つまり、足の長さが変わっていないのです。


どうしてこんなことになってしまったのか。


そもそも何故、紙の4辺を回避してまで円の配置を斜めにするのか、
そして何故、そうまでしたのに効率が上がらなかったのか、
そのことについて考えていきます。


まず、紙の4辺を回避してまで円を斜めらせて配置する理由は
ここです。 ↓ここの青色赤色の太線に注目です。

ユニコーン

ユニコーン改

このようなラインに注目すると、
足の円は真横に素直に配置するよりも、
斜めらせたほうが、足が伸びるような気がしてきますね。



ユニコーン改

ピタゴラス的に計算すると、
赤色の半径は、青色の半径よりも
√(4-2√2)倍、長くなっているように見えると思います。


√(4-2√2)というのは、小数で言うと1.08239…倍です


一割ほど足が伸びるかも知れません。


余談だけど、ここの「1.08239…」という比率を自力で導き出せるなら、東大に受かるかもしれんよ(暴論)


上の緑色で書いてる部分を見れば分かるけど、
この「半径が1の円」に外接している八角形の外周は、(√2-1)*16 = 6.62741699797…
これを直径の2で割ると、3.31370849898…

この数値を、例の「1.08239…」で割れば、半径1の円に内接する八角形の外周が出るワケです。

そしてその値は、
(√2-1)*16/2 / √(4-2√2)= 3.06146745892…となります。


つまりこの計算によって、「円周率が3.05より大きいことを証明せよ」という、
かの有名な問題も解けるようになるわけですね。


「12角形の内接」でやる人が多いらしいけど、自分は真っ先にこの8角形でやる方法が思いついたよ)
(6角形の内接じゃ“円周率=3”になってしまいます。 ゆとりです)

(ちなみに「半角の公式」も「余弦定理」も使っていませんね)
(ピタゴラスだけで証明しています。 つまり、中学生でも解けるのです


というわけで、「なるほどー。円を斜めに配置すると足が伸びるのカー」とおもいますよね。


これに騙されてしまうのがイカンのです。


実際は、そう簡単に、すぐに斜めらせられるワケではありません。
単純に斜めらせても、22.5度系の中ではきれいに折りたためないこともあるからです。


だから今回のように、それ用に考えなおした比率で計算しなおさないと行けないのです。
↓すると、こうなります。
ユニコーン改

このアニメを見れば一目瞭然ですが、結局、円の大きさが変わっていないのです。


「尻尾の方にスキマが出来てるじゃねーか! それを敷き詰めてないのが原因だろ!」
と思った人、まさにその通りです。


何故こうなっているかは、尻尾の部分に注目すると分かります。

扇型の部分を「円」ではなく、「八角形」にして見直しててみると、より理解しやすくなります。
ユニコーン改

↑後ろ足の部分にあたる八角形が、回転しているのが分かりますね。
その突き出た分だけ、右にスライドしています。


決して敷き詰めていないワケではないのです。
限界まで敷き詰めた結果、こうなのです。


つまり、結局このように22.5度の回転が加わってしまうことにより、
せっかく1.08239…倍ゲインした伸びが、ちょうど1.08239…倍ロストしているのです。

紙は与え、紙は奪う。 (1:21)


このせいで、全く足が伸びないのです。


結局どうなのでしょう。

あほあほユニコーン

実際↑こんな感じで、「紙の斜めの部分をカットして、
あえて紙の4辺の部分を利用しないようにしてまで設計したような折り紙」
はよくあると思うのですが、
そこまでして計算し尽くされたような作品が、実はそんなに大きく完成しなかったりします。
普通な大きさに収まったりします。


なんでかって言うと、その一つには
結局22.5度系の中では、足を畳む時の「偶奇」が変わってしまうことが考えられると思います。

そうやって偶奇が入れ替わるから、
足の色が変わってしまうというのもあります。
(今回のユニコーンは、足とか顔の部分がカラフルですね)


結局、愚直に紙の端っこに足を配置したような設計に勝てなかったりします。


頑張ったところで、2-√2です。
小数で言うと、紙の1辺に対して0.29です。


「4足の動物」を折り紙で折ろうとした場合、
最も愚直でシンプルなモノは「豚の基本形」でしょうか。

だけど、その最も単純な「豚の基本形」でだって、0.25は出るのです。 (4分割してるだけなので)
頑張って設計した結果が「+0.04」ですよ。 4%足が伸びるだけです。

苦労した割に大して変わらんといえば変わらんのではないでしょうか。


今回のユニコーンは、そういう事を考えるためのきっかけになりました。


「前に作ったユニコーンは、前足の部分に紙が余ってる感じがしたなぁ~」
「あれを詰めれば、もっと足が伸びるかもなぁ~」

などと思っていても、実際全力で詰めようとしたら、1ミリも伸びなかったわけです。


結果、折るのが難しいだけのシロモノが出来てしまいました。


でも、気に入っている部分もあります。

尻尾が大きくなったのと、たてがみの部分の6角形は我ながらカッコイイと思います。


あと、足の色を変えないように折ることもできますよ。
顔だけは無理ですが。


最後は、実際にリアルで折る時のための備考。


今回のこのユニコーン折り紙は、「比率」がかなり特殊なので、
「折り筋」を付けることすら出来ないかもしれません。


なぜかというと、
普通にやっていると、いつまで経っても「↓この比率」に辿りつけないからです。
ユニコーン改

この赤い部分の線さえ引くことが出来れば、あとはスパスパ折り筋が立てられるのですが、
普通の22.5度系では、この位置に線が来ることは永遠にないのです。


ではどうすればいいのかというと、
ユニコーン改
まずこのように、「通常の22.5度系でよくあるような線」を引いていってから、
最後に右上の灰色の部分をカットして、残った正方形を使えば、
この赤線の比率が得られるわけです。


でも、そんな風に紙を切るのを嫌がる人もいるかもしれません。

そら、紛れもなく正方形ではあります。
一応これでも「不切正方形一枚折り」なのかも知れません。
でも、やっぱり紙を切っているのです。 なんか後ろめたいです。


ではどうするか。

近似を使います。


(また、1辺の長さは「2」とします)
この図で言うところの灰色の部分の横幅の長さは3-2√2です。
つまり、残った正方形の1辺の長さは2√2-1となります。
(3-2√2) / (2√2-1) = 0.09383632135 となります。

この、0.0938…という数値が、
「3/32」に極めて近いことに気づきました。

3/32は、小数で言うと0.09375です。

これがどれくらい近いかというと、
ORIPAを騙せるレベルです。

近似値で引いた設計図でも、ちゃんとORIPAが折ってくれることが分かりました。

プログラムを騙せるくらいなので、
実際の紙で折る分には、こんな誤差は微塵も気になりません。

よって、↓こんな風に折れば、
例の赤線の比率が得られるのです。
ユニコーン改
(もちろん実際はこんな碁盤目状に折る必要ないですよ)
(半分、半分、と、ちょっとだけ印をつけていって、端と端をガーッとつなげて)
(最後に赤い線の部分だけ、ハッキリと折り目をつければ良いのです)


今回のユニコーンを折る場合は、この近似のやり方をオススメします。

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[ 2013/07/24 20:35 ] 創作折紙 | TB(0) | CM(0)
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